乳児家庭全戸訪問事業についての全国調査より、自治体担当者からみた実態を明らかにし、本事業の実施上の課題を明らかにすることを目的としている。
全国1742市区町村(指定都市を含む)の子育て支援担当部署で、本事業を調整・統括する担当者を対象に、無記名自記式質問紙調査を実施した。
有効回答722件について分析した結果、安定した事業展開をするために必要な人材確保、訪問者の研修日数や研修内容などが十分とは言えないことが明らかとなった。
また、本事業は主に保健部局が担当しているが、今後福祉部門との連携強化や、スーパービジョンやコンサルテーションの必要性も示唆された。今後、多変量解析などより詳細な分析を行い、詳細な実態と課題を明らかにしていくことが求められる。
本論文は平成24-26年度日本学術振興会科学研究費助成金(基盤研究(C))課題番号:24530752「子育て支援・家庭訪問ソーシャルワーク実践モデルの開発―実践モデルの原板づくり―」(研究代表者:木村容子)の成果の一部である。